アラウンドビューモニターは、日産自動車が2007年に開発したパーキングアシストシステムである。2014年からテレビCMを放映。2016年からは日産・インテリジェントモビリティによる装備に組み込まれている。

概要

構造としては車体の4箇所(フロント、左右ドアミラー、リヤ)に設置された超広角カメラから得た映像情報をもとに、画像処理用の専用LSIを用いて、あたかも車両上方から見下ろしたような映像に加工して表示することで、車と路面の駐車枠の関係をブザー音とともに確認出来る仕組みとなっている。

このシステムの採用より、死角の多いミニバンでも縦列駐車や狭地駐車のコース取りが分かりやすくなるとともに、車庫入れもより安全かつスムーズに行うことが可能となっている。

2005年に日産、Xanavi(現・フォルシアクラリオン・エレクトロニクス)、ソニーで共同開発を開始し、ソニーが開発した130万画素のCMOSセンサーと超広角180度・高解像度レンズを搭載したカメラ、Xanaviの俯瞰画像変換技術を取り入れたコントローラが搭載されている。

改良型

スカイラインクロスオーバーに搭載された改良型には、「駐車ガイド機能」、「フロント/リアワイドビュー機能」、「ナビ連動フロントワイドビュー機能」が追加された。駐車ガイド機能は駐車手順を画面と音声の両方で案内する。フロント/リアワイドビュー機能は前後の約180度の範囲を画面に映し出す機能で、特にリアワイドビューについては世界初であった。3つ目のナビ連動フロントワイドビュー機能は、前述のフロントワイドビュー機能を、事前にナビに登録した場所で自動的に表示する機能である。

なお、すでにアラウンドビューモニターを採用していたエルグランドとセレナもフルモデルチェンジに伴い、スカイラインクロスオーバーと同じ改良型に換装された。

エルグランドにおいては2011年の改良時に世界初となる「移動物検知機能(Moving Object Detection、略称:MOD)」を追加。同機能は車両周囲に歩行者や買い物カートなどの移動物を検知し、モニター画面表示と音でドライバーに知らせるシステムとなっている。これにより、駐車スペースから発進する際などの安心感を高めると同時に「駐車ガイド機能」にはこれまで手動で設定していた目標駐車枠をクルマが自動で白線を認識して設定する機能を追加し、利便性を向上させた。また、トップ画面でもタイヤの切れ角や予想進路線を表示させることで、よりスムーズな駐車を可能としている。

コンパクトカーでは、2012年9月にフルモデルチェンジするノートの最上位グレード・メダリストに初めて搭載される(X系グレードもメーカーオプションで設定)。ベース車がオーディオレス車であるため、自動防眩ルームミラーの中に内蔵されたモニタに映し出すタイプ(ディーラーオプションナビ一部機種のモニターに映し出すことも可能)になっている。なお、当初はエルグランドに搭載されている「移動物検知機能」等の一部機能が省略されていたが、のちの改良で同機能も搭載された。

軽自動車では、2013年6月に発売されたデイズの一部グレードに標準装備された。ノート同様、自動防眩ルームミラーの中に内蔵されたモニタに映し出すタイプである。後にデイズシリーズの共同開発相手かつ製造元である三菱自動車工業のeKシリーズにも「マルチアラウンドモニター(バードアイビュー機能付)」として標準装備あるいはメーカーオプションで装備できるようになった。なおMODは非搭載である。

インテリジェントパーキングアシスト

アラウンドビューモニターの画像を応用して、駐車枠までステアリングを自動操作するシステム。ナビタッチ、及びスイッチ操作で止める向き、枠の訂正、開始などが出来る。操作は枠の微調整が必要。搭載車種は以下を参照。

採用車種

  • ☆はルームミラーもしくはメーター内蔵タイプ(一部のディーラーオプションのナビでモニターに写すことも可能)。
  • ▲はカーウイングスナビ(NissanConnect)に表示するモデル。または、独自モニター。
  • ●は一部標準装備のグレードあり・あるいは全車種標準装備(特別仕様車を除く)。
  • ◆は移動物検知機能(MOD)が省略。
  • ■はインテリジェントパーキングアシスト/プロパイロット パーキング搭載車。
  • 軽自動車のデイズ/ルークス/サクラとeKシリーズはいずれも三菱自動車工業製。両社の合弁企業であるNMKVを通じた共同開発のため、日産が三菱に技術提供した格好で、三菱における単独開発車種にも「マルチアラウンドモニター」として搭載されるようになった。

現在の搭載車種

三菱自動車工業「マルチアラウンドモニター」

過去の搭載車種

他社の類似装備

ルノー・日産・三菱自動車アライアンス内

  • 「マルチアラウンドモニター」(三菱自動車工業)については前述。
  • 「AVM」(ルノーサムスン・SM7)

その他

  • 「パノラミックビューモニターシステム」(トヨタ)
  • 「マルチビューカメラシステム」(本田技研工業)
  • 「全方位モニター」(スズキ)※日産OEM時代のランディでは本装備をこの名称で設定していた時期がある。(前述)
  • 「パノラマモニター」(ダイハツ)
  • 「360°ビュー・モニター」(マツダ)
  • 「デジタルマルチビューモニター」(SUBARU)
  • 「アラウンドビューモニタリングシステム」(現代自動車・起亜自動車)
  • 「サラウンドビュー」(BMW)
  • 「サラウンドビューモニター」(アウディ)
  • 「イーグルビュー」(M7ターボなどラクスジェン各車)
  • 「サラウンドアイ」(フォルクスワーゲン・ゴルフ)※クラリオンと共同開発

脚注

注釈

出典

関連項目

  • 日産自動車
  • 日産・インテリジェントモビリティ
  • インテリジェント・ルームミラー(スマート・ルームミラー)
  • デジタルミラー(デジタルアウターミラー)
  • ブラインドスポットモニター

外部リンク

  • TOP>車両搭載技術>アラウンドビューモニター 日産自動車 公式サイト内

アラウンドビューモニター キャンピングカー販売のアドリアモービルジャパン

アラウンドビューモニターをナビ画面で見れるようにする方法

アラウンドビューモニター JapaneseClass.jp

エルグランド:新型アラウンドビューモニター YouTube

360° アラウンドビューモニターシステム|製品情報|株式会社丸安商会