『楚喬伝〜いばらに咲く花〜』(そきょうでん いばらにさくはな、原題:楚乔传、英題:Princess Agents)は、2017年の中国のテレビドラマ。
放送および配信
概要
過去の記憶を失くし奴婢となった天性の戦士・楚喬が、西魏の諜報組織の長・宇文玥に鍛えられる一方、燕北の世子・燕洵とも絆を深めながら、過酷な乱世の中で活躍する姿を描く。
全三巻の原作のうち、二巻半ばまでの映像化。原作の"特殊工作員が架空王朝の奴婢に転生する"という導入部が、中国で放送が禁止されるようになったタイムスリップの描写にあたるため、脚本化の際に様々な設定改変がなされている。ドラマの舞台となっている西魏は、元氏の皇帝を宇文氏が補佐していること、南の梁国と緊張関係にあること、伝わっている故事の内容など、大枠は史実に沿っているものの、登場人物はほとんどがフィクションであり、実在した人物に比定することは困難である。
中国のテレビドラマとして初めて、放送期間中に視聴者数のべ400億人を達成した。
日本語字幕翻訳は島根磯美、小島早依、木村佳名子、藤原由希。
あらすじ
南北朝時代の西魏。貴族たちが権力をめぐり水面下で争う一方、皇帝は北方の統治を任せた燕北侯への猜疑心を募らせ、そんな魏を南から梁が虎視眈々と狙っていた。乱世の中で奴婢に落とされる民は多く、一度奴婢となればその命は軽く扱われるのが常だった。江湖では、そうした状況を憂いた義士やその敵対勢力が独自の組織を作って活動。魏国内外で、情報戦と工作を制するための諜報組織の存在が重さを増していた。
記憶を失くした奴婢の少女・楚喬は、人間狩り遊びの獲物とされたところを生き残り、貴族の宇文玥の屋敷で働くことになる。屋敷で楚喬は奴婢となっていたきょうだいたちと再会するが、兄と姉はやがて宇文一族の手によって無惨な死を遂げてしまう。楚喬は宇文玥の側女選びに乗じて彼らへの復讐を計画するが、宇文玥は彼女を見込んで"星児"という名を与え、彼が率いる諜報組織の間諜として鍛えはじめる。厳しい鍛錬を積む中で楚喬は宇文玥に好感を持ち始め、さらに宇文玥の友人でもある燕北侯の息子の燕洵や、魏の十三皇子の元嵩らとも絆を育んでいく。
やがて楚喬は、長安脱出を図る燕洵に附いて『奴婢がいない』という燕北を目指すことを決める。しかし妹たちを先に行かせたところで燕洵と共に捕まってしまい、皇宮の一画・九幽台で、燕北侯家を徹底的に辱める惨劇を目撃。さらに誤解から宇文玥ともすれ違ってしまう。楚喬は軟禁された燕洵を側仕えとして支え、三年が経過。燕洵と燕北人の仲間たちは、皇帝の警戒がやわらいだ頃を狙って謀反の計画を立てる。これに楚喬も力を貸すが、燕洵の考え方が深い憎しみによって徐々に変化していることに気付かないでいた。"星児"を案じ続ける宇文玥は燕洵の変化に気付き、折に触れて彼女を引き留めようとするが、魏と燕北の対立は決定的なものになっていく。その中で"星児"こと楚喬に、自らの信念を試される苦難がさらにいくつも降りかかる。
登場人物
主要人物
宇文府
宇文一族
魏の重臣。皇帝から間諜組織・諜紙天眼の長を任されてきた家柄。現在は青山院と紅山院の二派に分かれ、諜紙天眼の長の座を争っている。
宇文府に仕える人間
魏
皇族
貴族
燕北
梁
寒山盟
その他
サウンドトラック
盗作問題
原作小説『11処特工皇妃』について、蕭如瑟作『九州・斛珠夫人』、江南作『九州縹緲録』、老猪作『紫川』、不楽无語作『限制級特工』、寐語者作『帝王業』、流瀲紫作『後宮甄嬛伝』、黄易作『尋秦記』、滄月作『鏡』などからの盗作が指摘されている。また、原作者・瀟湘冬児の他の著作についても盗作が指摘された。
2015年8月、瀟湘冬児は、風歌・月関・老猪の作品からの盗作を認め、『ドラマの制作会社と協議し、著作権を侵害した箇所のないバージョンの原作を提供して、クランクインの前に脚本を確認し、著作権を侵害した台詞のないことを確認した』とコメントを発表した。しかし2017年6月の放送開始後も、作家やネットユーザーから、ドラマの映像や内容について盗作が指摘され続けた。同月、蕭如瑟は、すでに弁護士を立てて法的措置に入っており、テレビシリーズのプロデューサーに連絡を取ったと微博に投稿した。
脚注
外部リンク
- 电视剧楚乔传 公式Weibo(中国語)
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