イワウメ(岩梅、学名:Diapensia lapponica L. var. obovata F.Schmidt)は、イワウメ科イワウメ属に分類される常緑の小低木の1種。高山植物。別名はフキヅメソウ、スケロクイチヤク。
特徴
枝は横にはい、厚い革質の葉が密生してクッション状となり、一見しただけでは木本とは思えない。葉は倒卵状のくさび形で長さ1 cm前後、幅4 mm前後。花は乳黄白色でまれに淡紅色を帯び、7-8月に枝先から伸びた長さ2 cmほどの花柄上に1個つく。合弁花であるが、平開する花冠が直径1.5 cmと小さい上に5中裂するため、花弁が5枚あるように見える。雄蘂は5個で萼は5裂する。果実の朔果はが長さ約3 mmのほぼ球形。花が薄紅色の品種は、ベニバナイワウメ(f. rosea)と呼ばれている。
分布と生育環境
韓国、日本、サハリン、シベリア、ウスリー及びカムチャッカに分布する。基準標本はサハリンのもの。母種のボソバイワウメ(学名:Diapensia lapponica L. subsp. lapponica)は、北半球の寒地に広く分布する。
日本では北海道から本州中部にかけての高山帯に分布し、岩礫地や岩壁に張り付くように生育する。
脚注
参考文献
- 清水建美、門田裕一、木原浩『高山に咲く花』(増補改訂新版)山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑8〉、2014年3月22日。ISBN 978-4635070300。
- 豊国秀夫『日本の高山植物』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1988年9月。ISBN 4-635-09019-1。
関連項目
- 高山植物
外部リンク
- イウウメの標本(青森市十和田市 で1957年7月)に採集 島根大学生物資源学部デジタル標本館




