坂井 政市(政一)(さかい まさいち、1889年(明治22年)8月17日 – 1970年(昭和45年)4月22日)は、日本の実業家。1905年長野県北安曇郡美麻村にて木材業を創業。1924年に土木建築請負業を兼業。1944年法人設立、1946年に社名変更、坂井興業株式会社を設立、専務取締役社長を務める。
来歴
長野県出身。長野県北安曇郡美麻村で木材業を営んでいたが、同郡大町へ移転。製材業・建設材販売業・土木建設請負業を開業。1943年(昭和18年)、紺綬褒章(第6462号)を受章。長野県中小企業団体中央会常任理事、大町町会議員、大町町会議長などを歴任。
主な業績
- 坂井政市は、大町木材(株)や坂井林業(株)など次々に木材業の会社を設立し、さらに1944年に坂井興業(株)を展開し運営する。1940年には、長野県の多額納税者。当初資本金は18万円であったが、1948年には百万円に増資している。
- 1952年には、坂井興業は木材・製材業において、年販売素材4千石、板角材1万石、枕木2千石、木箱仕組板2千石を記録。また建設業において、年工事高2千7百万円の売り上げがあった。本社(2821番地)以外に工場(2828番地)を持ち、主要設備として製材機11台を所有。従業員は42名。
- 営業に関しては、本社・工場以外に、出張所として、長野出張所(長野市岡田町261番地)、東京出張所(東京都墨田区大平町1の12)を持ち、事業拡張を行っていた。
- 1960年には、坂井興業は資本金350万円(7万株)、年施工高1億2千万円、工場主要設備も30機械、建物面積2,402平方メートルとなる成長を見せたが、その後倒産。
- 坂井政市は、先祖から受け継いだ地である美麻村高地の高地神社に、1943年(昭和18年)に寄進の記念碑を建てている。そこに記載されていることからわかるのは、彼が高地神社の鳥居・社名標・玉垣を寄付したことである。それらは石造(大理石)であることから今に残り、神楽殿や本殿や奥の院などの木造建物が朽ち果てた現在でも、かつての高地地区の繁栄を伝えている。
- 1943年には、大町町役場建設資金の一部を寄付している。また、1946年(昭和21年)には、美麻村高地分校の新築資金に対して寄付を行なっている。同年12月23日に催された新築落成式の写真が、写真集『美麻村の百年』に残されている。
- 坂井政市(政一)は、大町町議会議員として、土木・工務・都市計画などの委員を務め、土木委員長・工務委員長を歴任、1948から1951年まで町議会議長を務める。水道問題・健康問題・警察問題・公有林問題に加えて、中学校・小学校の建築・大町病院設立・山岳博物館設立などの問題に取り組んだ。
外部リンク
- 国会図書館デジタル・コレクション-坂井政市
- 国会図書館デジタル・コレクション-坂井政一
脚注




